エピ5
毎度です。
今回も「東京パフォーマンスドールPLAY×LIVE『1×0』エピソード5」について、お話の感想を書いていきたいと思います。
セリフなど、間違っていたらすみません。

あらすじ。
5組に分かれて出口を探すTPDのメンバー。
フタバとサナ以外のメンバーは、「Dreamin’」を歌うメンバーの歌声を聞いて一つの部屋に集まった。
しかし、そこでワンバイゼロの空間は停止してしまい、部屋に集まった8人は人形のように動きを止めてしまう。
そこへフタバとサナがやってくるが、大量の水が流れ込んできて8人をどこかに流してしまう。
さらに、フタバとサナはお互いに体が入れ替わってしまう。
「ここは渋谷の流水路だから、みんな流されて海にいるんじゃないかな?」
体が入れ替わったフタバとサナは、海を目指して進みだす。

夏から始まったワンバイゼロの演劇も、最終話の5話になりました。
このお話の主人公は、黒髪ぱっつんストレートで猫っぽい顔立ちの橘二葉ちゃんと、美波沙南ちゃん扮するサナ役の代役をつとめたTPD DASH!!のキッド咲麗花ちゃんでした。
美波沙南ちゃんは体調不良により降板となり、キッド咲麗花ちゃんが急遽代役に抜擢されたのですが、数日間のお稽古だということを感じさせない堂々としたパフォーマンスでした。
この咲麗花ちゃん。私から見れば天才子役以外の何者でもないのですが、演劇界ではああいう子役はゴロゴロいるのでしょうか、どうなのでしょうか。

今回のお話では、最終回で、年下2人が主役ということもあって、コミカルで楽しいモチーフてんこもりでお話が進んでいきました。

■東京パフォーマンス動物

「コミカルで楽しいモチーフ」といえばやっぱりこれ。
メンバーたちが今までのあらすじを動物のパペットを使った人形劇で説明するパートがありました。
それが「東京パフォーマンス動物」です。
フタバとサナ以外の登場人物が、それぞれ違う動物のパペットを持ち、軽快な音楽に合わせてミュージカル調で演じます。
たかだか人形劇と言えども、そこは東京パフォーマンスドールなので、かなりクオリティの高い楽しいお芝居にしあがっていました。
時間としては短いパートでしたが、演じ方にいろいろと工夫があり、それぞれの動物にキャラクターがあり、それを演じるメンバーの良さも引き立てていました。
例えば晏夕ちゃんはドーベルマンを持っていました。
お芝居の中ではちょっと不良っぽいキャラクターだった晏夕ちゃんがドーベルマンというチョイスに「わかるわかる」と頷けます。犬なので、「ワンバイゼロ」の「ワン」と鳴き声をかけて、「ワン!」のところで吠えるようなアクセントをつけていました。
あかりちゃんはネズミさんの役で、セリフは語尾の「~ます」を「~マウス」と発音していました。あかりちゃんのかわいい声は、小動物のネズミにもよくあっていました。

パペット自体すごく毛並みがきれいに見えたので、いいものだったんじゃないかと思います。
メンバーたちが自分の担当の動物のパペットをもらって「かわいい!」とはしゃぐ姿を勝手に想像してしまいます。

ワンバイゼロはSNS空間のお話なので、ちょっとサイバーなモチーフもたくさんでてきますが、こういった演出があるとかわいらしくて和みます。

あと、ここで使われていた音楽がとても印象に残っています。
人形劇に似合うかわいい音楽なのですが、途中で激しくキーボードを叩く音入っていたり、テンポがかわったりとネタ満載で、聞いていて面白かったです。

ちなみにこの動物達は、ただ説明をするために出てきただけでなく、その後ちゃんとお話の流れに絡んできます。
東京パフォーマンス動物たちはワンバイゼロの空間に存在しながらも、ウーミーが止めることができない不思議な存在に設定されています。また、サナには見えるけどフタバには見えないという細かい設定もあり、冒頭の10人パートでの「熊とか出るのかなぁ」というサナのちょっとしたセリフに対する伏線になっています。

そして、海を目指すサナとフタバの冒険に無くてはならないイベントを発生させる役割も担います。
その流れがすごくうまいなぁと思いました。

■体が入れ替わった2人

エピソード5の序盤、サナとフタバはひょんなことから「フタバはずるい」「サナの方がずるい」と喧嘩になり、ワンバイゼロの空間が持つルールによって体が入れ替わってしまいます。
ですので、エピソード5のお話は、基本的にサナとフタバが入れ替わった状態で進んでいきます。

個人的に思ったのが、体が入れ替わったことによって彼女たちが得たものの描き方が、興味深かったということ。
体が入れ替わるというアイデアは、今までも漫画などいろんなフィクションで使われてきましたが、描かれ方として、お互いの違いを理解するというものが多い気がします。
もちろんエピソード5ではそれも描かれているのですが、もっと重要なポイントして「心と体を共有する」、つまりこの1×0のお話全編を通じてテーマといる「私が私達になる」ということを身をもって知る役割がありました。
そしてそれが、女の子らしくかわいく演じられていたことに新鮮さを感じました。

例えば、泣き出してしまったサナをフタバが慰めるシーン。フタバが「最後の希望」として大事にとっておいた甘栗を、泣いているサナにプレゼントするシーン。
その時の2人の会話で
フタバ「私(の体)の涙、勝手に使わないでよ」
サナ「甘栗を食べてるのは、フタバ(の体)?サナ?」
「ややこしいね」
と笑いあいます。
こんな状態でもじゃれ合って笑っちゃうなんて有り得ないと思うんですが、ナチュラルにかわいらしく演じられていて、すごく印象的なシーンでした。

そしてこの2人の冒険は、体が入れ替わってもあまり困ることなく進んでいきます。
フタバはサナの体になって、頭があまり回らなくなったという点ではちょっと困るのですが、あまり暗くならずにズンズン進んでいきます。
こういうお話でも全然不自然じゃなく微笑ましく2人の冒険を見守ることができるのも、演じているのが少女だからじゃないかなぁと思います。かわいいです。

さらにいうと、最終的に二人が体が戻ったことがはっきりと示されたシーンがなかったと思うんです。多分、体なんて入れ物は、そんなに大きな問題じゃないんですね。
そいういった脚本の割り切ったところも私はすごく好きでした。

■サナの心の内「TDLに行ったの」

SARIKA

ここからは、2人のキャラクターに焦点を当てていこうと思います。まずはサナ。
「サナね、東京ディズニーランドにいったの、それでね、何とかマウンテンに乗ったの。でね、気づいたの。東京ディズニーランドはTDL、私達、TPD、なんかすごくない?」
これは、サナちゃんの自己紹介パートでのセリフです。

年齢的に一番年下なサナは、天真爛漫な描かれ方をされています。
自己紹介パートでは、他のメンバーがライブのことやTPDのこと、落ちる直前のことなどを語っているのに対して、サナだけお気楽にTDLの話をしているので、みんなとちょっとずれている「我が、我が」なキャラクターなのかな?と感じていました。
でも、エピソード5で、本当はサナはTPDのことをすごく愛しているんだということがわかります。

エピソード5で、フタバが運転するバイクに乗りながら、サナはまたTDLの話をします。
(ここでフタバが「またその話?」と返事をするところに、日ごろのサナがメンバーからどういう接し方をされているのか垣間見れておもしろいです。)
サナがいつも語るTDLに行った話には、実は誰にも言ってなかった続きがあります。
家族とTDLに行ったサナは、すごく楽しかったけど「ここにみんながいたらな」と思ったそうです。
「パパとママがいたから言えなかったけど」というところに、またサナのいじらしさを感じます。

サナはあんな性格だから、きっとパパとママにすごく愛されてるんだと思います。
で、両親もサナをすごく愛しているんだと思います。
でも、サナの心はとっくに両親から自立していて、今はTPDの一員として頑張っているんだなぁと思うと、サナの両親の気分になってちょっとほろ苦い思いを感じました。

エピソード5のサナは、本当にかわいいです。
床に転がって駄々をこねたり、「フタバがナナに愛されてる!」と嫉妬したり、年下のかわいらしさがいっぱいつまっています。
キッド咲麗花ちゃんのサナもすごくよかったですが、美波沙南ちゃんで見られなかったのは、率直に残念ですね。

ところで、エピソード5のタイトル「The Parfect Day」を知った時に、「エピソード5は最終回だから、問題が全て解決し、ライブも成功し、素晴らしい一日になる!」という意味だろうなと想像していたのですが、実際はきっとそういう意味じゃないんですね。
サナのセリフに、「今は無理でも、いつか、みんなでTDL行こうよ。お稽古とかじゃなくて。そしたらきっと、完璧な一日になるよ!」というのがあります。多分ここのセリフからとって、このタイトルなんだと思います。
つまり、「The Parfect Day」は、まだ見ぬ日なんですきっと。
そう考えると、今は一生懸命お稽古を頑張っているTPDにちょっと余裕ができて、TDLにいけることを目指す、未来につながる健気なタイトルなんだと思います。

ちなみにこの「TDL」は、このサナと両親のエピソード意外にも、お話の終盤にまた現れてきます。
1×0は実在しないSNSを舞台にした話で、サイバーな感じのモチーフもたくさん出てくる中、「TDL」という実在する女の子の大好きなモチーフをお話のキーにおくことで、十代のアイドルがやるお芝居としてすごくふさわしいものにしているんじゃないかなぁと感じます。

■フタバが守りたかったもの「私、ダメなんだ」

FUTABA

一方フタバ。
いつも甘栗を大事に抱えているフタバ。最初はそれが単に甘栗キャラだからと思っていましたが、彼女はちゃんと「元の世界に戻れないかも」しれないとういことを冷静に考えていて、渋谷で買った甘栗を心の中で「最後の希望」と位置づけています。

冒頭の自己紹介のセリフで、フタバが交差点を渡って、戻った、ということが語られますが、その「なぜ戻ったか?」というのが、フタバのキャラクターを表す複線になっていきます。
交差点を渡ったフタバは、そこで飛行機が近づいてくるのを見かけたと同時にメンバーの姿が見え、とっさに「みんなに守らなきゃ!」と思ったからだと明らかになります。
小柄で年少組みにはいるフタバが「みんなを守らなきゃ」という決意が何ともいじらしいですね。

演じる二葉ちゃんを見ていると、いつもすごく一生懸命な感じがします。
握手の時の会話や、号泣教室を見ていても、うまく言葉にできてないんだけど「わわわわー!」って感じのパッション(?)を感じます。
号泣教室での清水宏さんの「外国人にチラシを確実に渡す方法」の回で、公演のチラシを配る実習がありましたが、二葉ちゃんの実技の「とにかくすごいんです!私が!」とひたすら「すごいんです!」とまくし立てる姿がすごく微笑ましくて笑いが止まりませんでした。
そんなフタバの「みんなを守らなきゃ!」というヒーローみたいな決意が、なんともかわいらしくてたまりません。

しかし一方で、こんな思いも持っていることがわかります。
「私、ダメなんだ。いつも死ぬことばかり考えちゃう。自殺とかじゃないんだけど、死んだらどうなるんだろうって考えちゃう。」
こういうことを考えちゃうフタバの心が、単に性格的なものなのか、過去に起こった何かに起因するのかはわかりませんが、私もフタバと同じくらいの年のころ、割とこういうことを考える子供だったので、「私信来た!」と一人勝手に高まっていました。
そんなフタバに対してのサナの「よかったね。みんなでここに来れて」というセリフがまた涙を誘いました。
フタバを抱きしめるサナを見て、「女の子っていいなぁ」と思いました。

■「ダイヤモンド」

その後、お話はどんどん核心に入っていきますが、最終的にどうやってウーミーを倒し、世界を救い、メンバーが元の世界に戻るのかは、ぜひアンコール公演実際見てほしいと思います。

この舞台は、TPD自身をモデルにした演劇ですが、単純にメンバーの置かれている状況役名を実際のメンバーと合わせているだけではなく、より新生東京パフォーマンスドールというグループのコンセプトが感じられるモノになっています。
今のところ、新生TPDの代表曲と言えば「ダイヤモンドは傷つかない」、そしてファンにとっての名曲と言えばオリジナル曲「Dreamin’」です。
演劇の中では、バラバラになったメンバーが再び集結するために「Dreamin’」が効果的に使われます。それだけでなく、「1人が2人になって みんなとつながるイメージ」という歌詞は、物語のテーマそのものを表していました。
また、演劇パートの最初と最後では「ダイヤモンドは傷つかない」が歌われ、ボスであるウーミーを倒すシーンでは、新生TPDにとって大切なモチーフである「ダイヤモンド」が登場します。

こういった歌とリンクするモチーフがお芝居に出てくると、ファンとしてはグッと胸が熱くなります。
そして、デビュー公演を通じTPDがどういったコンセプトのグループなのか、ブランドイメージのようなものを強く印象付けられた気がします。

■ダンスサミット

最後にちょっとだけ、ダンスサミットパートの感想を書いておこうと思います。
個人的に印象深かったのは、衣装とBitter Sweet Memoryですね。

まずは衣装。
最終話だからか、公演時期のクリスマスに合わせたパーティ仕様だったからか、エピソード5新衣装はゴージャスなゴールドの衣装でした。
個人的に好きだったのが菜七ちゃんのスタイリング。ショートパンツにハットをかぶって、健康的でセクシー。どことなくアメリカンな感じがバイリンガルな彼女にすごく似合っていました。高級車の横に立ってポーズを決めてほしい感じでした。
菜七ちゃんは性格やルックスもすごく好みなのですが、衣装のスタイリングが毎回私のツボをついているので、衣装のご担当者の方に心を読まれているような気持ちになります。

続いてBitter Sweet Memoryについて。
今回のダンサミでは、各話の劇中歌をメドレーで披露しました。
その中で、Bitter Sweet Memoryについては前回エピソード4の劇中で披露されていたのとは違った振付が付いていました。
曲の始めは、らこ&うさきペアがラップをする中、二葉ちゃんが一人でバックアップダンサーとして2人の横で踊ります。
ムーディな照明の下、ラップの横でしなやかに踊る二葉ちゃんというのが、絵面としてすごく斬新に感じられました。
その後、他のメンバーが順々に出て来て歌に参加します。この時の二葉ちゃんと菜七ちゃんのルーティンにブレイクダンスっぽい要素が入っていて、TPDのステージングの幅の広さを感じました。
IN THE WONDERLANDのフレームを使ったダンスや、シェイクダンスを取り入れた振付、東京ハッカーズ・ナイトグルーヴでの横からのレーザー演出など、TPDのステージは貪欲にいろいろなことに取り組んでいるのを感じ、ダンサミは公演ごとに「次は何がくるだろう」とワクワクします。

そうすると欲が沸いて「いつかこんなの見てみたい」という妄想が膨らみます。
何が見たいですかね。そうですね。クランプとか…?

私の妄想はさておき。
普通駆け出しのアイドルだと、曲はシングルCDとして発売するために比較的万人受け要素の強いものやグループのイメージを外さないもの意識しがちだと思いますし、外のライブやアイドルイベントで披露しやすいように、凝った演出はしにくいと思うんですよ。
だけどTPDはシブゲキ!!というホームがあって、ダンサミも一定期間同じセットリスを繰り返すので、こういうアイドルとしては挑戦的な曲の演出がしやすいんだと思います。

とはいえ、一番大きいところは振付の林希先生の創作意欲と、それについていくメンバーの努力だと思います。
来週から始まるエピソード1、2の再演でも、どんなダンサミが披露されるのか楽しみです。